歯周病について
歯を失う原因 ある資料では
・虫歯 30%
・歯周病 56%
・その他 14%
歯を失う原因の6割近くが歯周病であるにもかかわらず、私たちは歯周病に対する知識を正確に持ち合わせていません。
「歯周病に罹患すると初期症状があるか?」というアンケートに「わからない」または「ある」と答えた人が8割近くいます。
実際には歯周病は生活の中で初期症状をほとんど感じることができませんのて、定期的な歯科検診をお勧めします。
歯周病について詳しく知りたい方は、こちら
日本歯周病学会 http://www.perio.jp/qa/cause/
歯周病治療の流れ
1溝の深さの検査
2治療、歯石の除去
3再検査 (予後が悪い時には、御相談うえ、簡単な手術を行う場合があります。)
4メインテナンス科へ移行
歯と歯茎の間の溝の深さの検査
このような器具(プローブ)を使って検査します。
調べた結果を図にまとめます
その他、プラーク(汚れ)、出血、はい膿、動揺(歯の動き)も同時に調べます。
あなたの歯茎の状態は・・・?
軽度歯周炎
ポケットの数値が3ミリ以下
歯ぐきが腫れ、出血しやすくなっています。
歯をささえる骨にはまだあまり影響はありません。
中等度歯周炎
ポケットの数値が4~6ミリ
歯石がポケット内に付着しています。
歯を支える骨が失われ、歯が動きはじめます。
重度歯周炎
ポケットの数値が7ミリ以上
支える骨も半分以上なくなり歯がぐらぐら動き始めます。このままにしておくと歯は抜けてしまいます。
治療、歯石の除去
目に見える歯石の除去
超音波スケーラーなどを使ってまず見えるところの歯石を取り除き、歯面をきれいにします。
歯肉の下の治療
次に歯肉の下の歯面やその周囲組織をきれいにしていきます。(歯茎の溝の深い場所)
上の図のように丁寧に歯石の除去していきます。しかし直接歯石をみることができない状態(てさぐり)のため、治療は困難をともないます。
予後が良くない場合やどうしても歯石がとれない場合は簡単な手術をすることがあります。
深いところにある歯石は見逃がしやすく器具も届きにくい
いったん歯周病で失った組織を治療でもとに戻すことはとても難しいことです。
骨が限局して失われています
しかし良い条件ならば、ある程度は骨が回復する場合があります。エムドゲイン(保険外治療)を使った5年後の症例です。失われた骨(黒く楔状にかけて見える)が回復したように白く見えます。(下のレントゲン写真の赤丸印)
最後に
歯周病に罹患して、中等度以上に進んだ場合もとの状態に戻ることはとても困難です。定期的に通院し、予防に心がけることは重要です。
またいったん中等度以上に進んだ場合でも、現状維持のために、メンテナンスに通ってください。ポケットが深い場合でもポケット内のクリーニングをおこない、害を及ぼす細菌を少しでも減らすようにした結果、ポケットが少しずつ改善したり、長期間、現状維持ができた患者さんは多数います。
短絡的に失った場所にインプラントをする前に、今ある歯をできるだけ長期間もたせることが歯周病治療の目的です。
虫歯の治療
虫歯の原因
虫歯の治療
治療は単にできた虫歯を削って埋める作業だけではありません。原因をできるだけ減らしていくことが重要です。
家がシロアリで壊れた時、壊れたところのみを治すようなことはしません。まず、シロアリを退治します。
同じようにもし虫歯が何本かできたならば、治療と平行して環境を変えて、次々に虫歯ができないようにしなくてはいけません。大事なのは治療だけでなく、意識して環境を変える(予防していく)ことです。
当院ではメインテナンス科で定期的に来院していただき、予防に対する、認識を高めていきます。これは医療費の削減にもつながると考えます。
虫歯の初期の治療
よく磨けていれば様子をみます。フッ素を塗布する場合もあります。清掃状態がよければ、この状態を長期間保つことができます。
詰め物のために虫歯でない部分を余分に削ったり、また詰め物自身も劣化や脱離することを考慮すると、早期に治療することは、かえって歯に悪い影響をあたえることがあります。
虫歯が進むと
虫歯は小さいうちに治療すれば期間も費用も負担が少なくなりますが進行性か休止状態なのか診断が必要です。すぐに削ることで、かえって歯に悪い影響をあたえてしまうこともあります。
虫歯がさらに進むと
虫歯が大きくなると金属をいれることになります。
虫歯が大きくなると歯を削って歯型を採り、金属を接着することになります。(写真の詰め物は保険治療です)
その他の詰め物の種類はこちら(自費診療)
さらに虫歯が進むと
痛みを生じていました。
神経をとり、根の治療となります。
根の治療
虫歯が進んで歯髄まで感染がすすむと歯髄をとる(抜髄)可能性がでてきます。下の写真はは抜歯した歯ですが器具を使って歯髄をとっているイメージです。歯髄を潰したり引きちぎったりして除去しています。
治療後
歯髄をとって詰めるまで通常、2~5回くらいかかります。感染が根の先まですすむともっと回数がかかります。
虫歯がさらに進んで歯髄がほとんど感染すると感染根管治療
先ほどの治療は感染した歯髄を取り除く根の治療でしたが、今回はほとんど歯髄が残っていません。
治療内容は一見同じように見えますが・・・。
冠や入れ歯の治療
根の治療後、予後が問題ないと判断した場合は、土台を立てて冠を装着します。
上の奥歯の全てに冠が装着(接着)されました。(写真の冠は保険治療です)
抜歯になると
土台が立てられない程、歯全体が虫歯になった場合や、根が割れると抜歯になります
ブリッジ
歯を抜いたあとは、両隣の歯を削りブリッジを装着(接着)します。3本の歯を2本でささえるので残った歯に負担がかかります。また清掃性も悪くなります。両隣の歯を削りたくない場合は、部分入れ歯(自分で取り外す義歯)やインプラント治療をお勧めします)
写真のブリッジは保険治療です
その他の冠の種類はこちら (自費診療)
多くの歯が無くなった場合
写真の部分入れ歯は保険治療です
クラスプ(とめる金具)などが見える為、見た目が悪く違和感も大きくなります。自分の歯にくらべ食事がしずらく、物がつまりやすくなります。
歯が全部抜けた場合は
総入れ歯になります。
写真の総入れ歯は保険治療です
その他の入れ歯の種類はこちら(自費診療)
義歯になっても「なんでも食べられます。」という患者さんもいらっしゃいますが、なかなか合わない方もいらっしゃいます。
できればご自分の歯で生涯お食事ができればというのを当院は目標としています。
マウスガード
ボクシングや格闘技などはもちろん、顔面への衝撃が起こるスポーツをされる方はマウスガードの装着をお勧めします。既製品とは違い、個人の歯形や噛み合わせに合わして製作いたします。
選べる色(全25色)
その他10色(メーカーの都合により色の変更がある場合があります)
製作費用
・一般 ¥11,000
・学生(小・中・高 )¥5,500(単色のみ)
マウスガードの役目
・外傷の予防 (ボールや人との衝突)
・脳しんとうの予防
・歯の磨耗の保護
-マウスガードの装着と注意事項-
・丁寧に扱い、使用する前は一度水ですすいでから正しい位置に装着して使用する。
・ガムのように噛んだり、意識して噛みしめない。
・長時間の使用を避ける。(就寝時に使用しない。)
・使用してみて顎関節や筋肉に違和感を感じたり、はずれやすいと感じた場合には使用しない。
・使用後は流水化にて毛の柔らかい歯ブラシで丁寧に洗い、清潔な固い容器に入れて保管する。(歯ブラシに歯磨剤を少しつけて洗浄すると悪臭を抑え、清涼感をもたらします)
・熱湯につけたり、火気などに近づけたりしない。(乾燥機の使用や温度の上がる自動車内に放置しない。)
・使用により摩耗変形が生じるので、定期的に口腔内検診およびマウスガードの点検をうける。