小児歯科

当院の小児歯科について

・虫歯のあるお子様には永久歯、永久歯列に悪い影響がないように適切な治療を行います。  
・定期的に歯科医院に通うことで虫歯が初期の状態で発見できたり、お口の健康状態をチェックします。
・虫歯のないお子様には、歯のクリーニング、フッ素塗布、シーラント(予防充填)、ブラッシング指導などの予防処置を行います。


乳歯ってどんな歯?

 生後6か月ごろから、乳歯がだんだんとはえてきます。はえる時期や順番は、人によって多少違うことがありますが、少しくらいの差なら特に心配する必要はありません。また永久歯の歯胚(赤ちゃん)も、誕生直後から乳歯の歯胚の下でさかんに成長を始めます。約3歳ごろに乳歯が生えそろいます。


 

乳歯の役割
ものをかんで食べる。
・顔の形を整え、発音を助ける。
・永久歯が正しくはえる場所を確保する



乳歯のはえる時期とムシ歯になりやすい年齢

 



 

ブラッシング指導

染め出し(よごれているところをチェックし指導、清掃します。)



仕上げ磨き

上手に歯磨きが出来ないお子様には保護者の方の仕上げ磨きが必要です。当院では、歯が生え始めた頃から小学校高学年までの保護者による仕上げ磨きを推奨しています。

なぜ小学校高学年まで仕上げ磨きが必要?
理由は、永久歯が生え揃うのが12歳くらいまでかかるからです。
生え始めの永久歯は、まだエナメル質も弱く虫歯になりやすい状態です。そして、歯が生えてくる途中は低い位置に歯があるので歯ブラシが当たらず磨き残しがある事が多いです。
これをしっかりと磨いてあげる、または指摘して磨くように促すということが大切になります。子育ての大切な要素と捉えてしっかり歯を守ってあげましょう。



仕上げ磨きのコツ

・前歯




・犬歯




・奥歯




・デンタルフロス

仕上げ磨きのポイント  
1.歯ブラシはヘッドが小さく毛が柔らかいものを選びましょう
2.歯ブラシは軽く握り、歯ぐきを傷つけないようにしましょう
3.磨き残しがでないように、磨く順番を決めましょう
4.お子さんのお口の中がよく見えるように寝かせ磨きをしましょう  

当院では、ご本人様への歯磨き指導のほかに、保護者様への仕上げ磨きの仕方もお教えしていますお子様とご一緒に、歯磨きや仕上げ磨きを嫌がらない環境を作っていきましょう


フッ素塗布


虫歯を防ぐフッ素の効果

フッ素化合物には歯の表面を硬くし、虫歯になりにくくする作用があります。これを利用したのが、フッ素塗布での虫歯予防です。

効果
1.耐酸性の向上:フッ素はエナメル質に取り込まれることによって、酸に溶けにくくなります。
2.再石灰化の促進:ごく初期の虫歯は歯垢が取り除かれた状態で回復しますが、フッ素が加わることによってその回復がより早くなります。
3.酸産生の抑制:唾液中の細菌が、酸を産出するのを抑制する効果があります。


いつ頃から始めたらいいの?
フッ素洗口やフッ素入りの歯磨剤の使用は、ぶくぶくうがいの出来るようになる頃で良いでしょう。利用を特にすすめたいのが乳歯から永久歯に生え変わる時期の小学生と中学生のお子様です。生えたての歯は未熟で軟らかく虫歯になりやすいです。その反面、フッ素の取り込み率が高いので、効果的に歯質強化が得られます。よってこの時期に積極的に使うことで歯を強くし、虫歯になりにくい歯にします。歯科医院での塗布の他に、フッ素入り歯磨剤などもありますので、あわせて利用して予防しましょう。



当院で行うフッ素塗布

フッ素塗布において当院で用いるフッ素化合物は、9,000ppmと、比較的高濃度のものです。高濃度のフッ素化合物を定期的に用いる目的は、歯の結晶構造を作り変えるためです。そうすることによって、虫歯菌が多くの酸を放出しても、歯が溶けにくい格好にすることが出来るのです。

 当院で扱っている歯磨剤


家庭で行うフッ素塗布

歯磨きや洗口など家庭で用いるフッ素化合物は、1,000ppmと比較的低濃度のものです。低濃度のフッ素化合物を毎日用いる目的は、フッ素イオンが口の中にいつも残存するようにするためです。フッ素イオンが口の中にあることで、歯の石灰化がスムーズにおこりやすくなります。

当院で扱っている歯磨剤はこちらです。販売しておりますのでご利用下さい。

・ホームジェル (65g) ¥780 
・子供用はみがき(40g) ¥170

 


シーラント

シーラントとは?
まだ生えたばかりの乳歯の奥歯、永久歯(特に6歳臼歯)はとても凸凹しています。深い溝があり、ばい菌がたまりやすく、歯磨きをしても食べかすが残ってしまいます。特に生えたばかりの子供の歯や生えた直後の大人の歯は軟らかいので虫歯になりやすいです
そこで予防的に奥歯の溝にレジン(プラスチック)流し込む治療がシーラントです。

歯の溝をうめて虫歯になりにくくします。


上の写真の様な、複雑な形の6歳臼歯などには有効な処置です




生活習慣の見直し・改善


態癖について

態癖について 日常の生活習慣の中では、無意識に行う様々な癖があります。このささいな癖が長期に及ぶことにより、歯を移動させ、歯並びやかみ合わせ、さらには全身にも悪影響を及ぼします。このような癖を態癖といいます。


このような癖はありませんか?


頬杖や寝癖などで歯は簡単に動いてしまいます。このような癖があればやめるようにしましょう。



舌癖

夢中になって本を読んだりテレビを見ているときに、口をポカーンと開けて上下の歯の間に舌が出ていたり、飲み込むときに舌をつき出し、歯を押すような動きをすることがあります。これを舌癖といいます。舌癖のある人は、いつも舌が口の中で低い位置や前方にあり歯を押しています。

 

舌癖について

(1)不正咬合
出っ歯、歯と歯の間に隙間が開く、上下の歯がかみ合わなくなる

(2)矯正治療の遅れや後戻り

(3)発音の問題
滑舌が悪い、舌たらずな発音

当院では早くからこの問題に取り組み、舌癖を治すための舌のトレーニング (MFT) を行っています。



MFTとは
MFT(口腔筋機能療法)とは、舌や口腔周囲筋(口の周りの筋肉)を意識的にトレーニングして、調和のとれた口腔環境に改善する指導法です。 舌癖は意識しないと治すことができないため、専門家のサポートでプログラムにそってトレーニングをして治していきます。

ティックや様々な器具を使って舌に力をつけたり、スプレーを使って正しい飲み込み方を練習します。


トレーニングの目的

(1) 舌の筋肉の力を強くする。
(2) 唇や頬、口の周りの筋肉に力をつける。
(3) 正しい飲み込み方を覚える。
(4) トレーニングで覚えた舌の位置や唇の状態を保ち、日常の生活の中で、正しい飲み込み方を習慣にする。


MFTの流れとトレーニング料金

検査・診断  ¥5,400
お口の中の特に舌の動きをご理解頂くため、飲んだり食べたりしている状態をビデオに撮影します。

分析
詳しい状況、トレーニング内容についてご説明します。

トレーニング (毎月1回)  ¥2,200
月に1回、約30分間、歯科衛生士の指導のもとトレーニングをします。

メインテナンス料(毎月1回) ¥1000~¥3,000
毎回、お口の中の清掃や虫歯のチェックを保険診療にておこないます。また必要に応じて虫歯などの治療(保険治療)も行います。




ムーシールド

ムーシールドとは、受け口(反対咬合)を改善する装置です。
下の写真の装置を就寝時に使用し、舌や口腔周囲筋の状態を整え受け口を改善します。
3歳から使用可能で、乳歯列期に治療を行うと、正常な顎骨の成長を促すことができるため、正しい永久歯の成長も期待できます。
(遺伝的な要因は改善できません)

当院では既製品をはじめ、お子様の歯列の大きさに合わせた装置を製作して使用していただきます。



ムーシールドを使用して反対咬合が改善した症例


「改善したら治療は終わり」ではありません。成長期間が終わるまでは、定期的に検診を受けて歯並びの状態を確認し続ける事が必要です。



治療の流れ
2週間の装置を貸出後(無料のお試し期間)お子様が使用可能であればレントゲン撮影・写真撮影を行い、装置を購入して頂きます。
1年間を目安に使用します。その間、定期的にご来院して頂き使用状況の確認を行います。


治療費

・検査・診断料  ¥10,000
レントゲン撮影・写真撮影を行います。

・装置代  ¥20,000
1~3カ月に一度、状態の確認をします。


*装置のサイズ交換時は別途料金が発生します。
*材料代、消費税などが変わる場合は、この限りではありません。
*患者様側の過失による装置の破損、紛失時の再製費用は10,000円とし、患者様のご負担となります。

 

 

 



 


妊婦さんに多い歯の病気


妊婦はムシ歯になりやすい
「子どもを1人産むと歯が1本抜ける」と、いわれますが、胎児に母親のカルシウムがとられるからではありません。妊娠すると、お口の中はムシ歯や歯周病(歯槽膿漏、歯肉炎など)にかかりやすくなります。


妊娠するとムシ歯、歯周病にかかりやすくなる理由
1.妊娠のため唾液が酸性になり、ねばっこくなる。
2.つわりなどで食事の回数が増えて口に中が汚れやすくなる。
3.歯ブラシを入れると気持ち悪くなったりする。etc





妊娠したら歯の健康診断を受けよう!
 ムシ歯は歯みがきによって防ぐ事が出来ますが、妊娠中は女性ホルモンの影響で、妊娠性歯肉炎を起こす事があります。また、口の中にトラブルが起こりやすいのも事実です。歯や歯肉(歯茎)の病気は、初期にはあまり自覚症状がありませんが、妊娠中は病気の進行が早いので妊娠に気づいたら早めに歯の健康診断を受けましょう。





つわりと歯みがき
 妊娠時の歯みがきは、ムシ歯予防・歯周病(歯周疾患)の予防にとても重要な意味を持っています。妊娠中こそ歯・口のお手入れは慎重にしなければなりません。妊娠中にムシ歯や・歯周病にかかってしまうと、産後は育児に追われて通院する事もままならず、重症になってしまうことが考えられるからです。 しかし、妊娠に伴って生じるつわりは誰でもつらいものですし、臭いや味にも敏感になる事から、歯みがきにも努力を要する方もいます。  

 妊娠性歯肉炎
主因はあくまでも歯垢や歯石といった不潔性因子です。




「食べたらみがく」が妊婦の基本ですが・・・
 妊娠中は生理的な変化に加え、食べる回数が増えたり、つわりで気分が悪くてお口の清掃が不充分になりがちです。何か、食べた後は必ず「みがく」習慣をつける事が大切です。妊娠中の歯みがきで大切な事をいくつかまとめてみました。

・体調の良い時間に
歯みがきは食後が効果的ですが、つわりでつらい時は体調の良い時間を見つけて磨きましょう。
・臭いの強い歯みがき剤は控えめに
妊娠中は臭いに対して過敏になり、臭いの強い歯みがき粉で気持ち悪くなる事があります。なるべく香料の強くない歯みがき粉を使用しましょう。
・歯ブラシは小さめのものを選ぼう
大きな歯ブラシでは奥歯を磨く時に、ノドに近い粘膜を刺激し吐き気をもよおす事があるので、なるべく小さな歯ブラシを使用しましょう。
・顔を下に向けてみがこう
歯をみがく時に、ノドの方にツバなどがたまると吐き気をもよおす事があるので、ノドに流れないよう下を向いて歯みがきしましょう。
・奥から前にかきだしてみがこう
つわりの時には、ノドに近い場所はとくに吐き気をもよおすので、奥から前にかきだすように歯ブラシを動かしましょう。


妊娠中は何事も面倒くさくなりがちです。しかし、健康を維持するため、将来のためにも歯みがきを省かないよう頑張りましょう!